悪女は魅力的か?ネーミングの影響から考えてみた

悪女は美人?それともブス?

 
悪女を辞書で引いてみると下記のように説明されています。

悪女
性質のよくない女、容貌の醜い女 (大辞林 第三版)

 
性質のよくないというのは納得ですが、容姿が醜いというところに違和感を抱く人は多いのでは?そもそもは「悪女=無表情な人」だったそうで、そこから転じてブスという意味になったそうですが。実際に使われている状況とは違いますよね。悪女と呼ばれて嬉しいと思う女性が増えている昨今。男性を翻弄するイメージのある悪女は、やはり美人で賢い(ズル賢い)イメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
 
ところが、歴史に名を残す悪女、犯罪史上の悪女などの画像を整理してみると、明らかに美しいという人は意外に多くありません。絶世の美女と言われたクレオパトラでさえも、近年の研究で実はブスだったことが判明していますし、悪女たちの中には、どちらかというブスの部類に入る人もいます。しかし、彼女たちは例外なく、なんとなく雰囲気があり、魅力的に見えます。振る舞いやテクニックでそう感じるならともかく、画像だけを見せられた人も魅力的と感じるのはなぜなのでしょうか。
 

ネーミングはイメージに影響を与える

 
なぜか魅力的に見えてしまう。その要因の一つとして、筆者はネーミングの影響があると考えています。
 
「悪女」という響きからは、人は男を手玉にとる魅力的な女性というイメージを抱きます。でも、この言葉が「悪女」でなく、「貢がせ女」「卑怯女」といった響きだったらどうでしょうか。イメージする魅力度はだいぶ変わります。北野たけしさんは「ストーカーという言葉を使うとカッコよく聞こえてしまうので、これからは出歯亀(でばがめ)と呼ぼう」といった趣旨のことをテレビ番組で話していました。
 
ネーミングによって、印象が変わる事例は他にもたくさんあります。例えば「オネエ系」という言葉は、少し前までは「ニューハーフ」と呼ばれ、その前は「オカマ」と呼ばれていました。彼らたちの社会的ポジションが呼称の変化と共に変わっていったことは、言うまでもありません。
 
最近では行政もその効能に気づいたようです。育児に積極的に取り組む男性の呼称を「イクメン」といいますが、これは厚生労働省が取り組んでいるプロジェクトの名称でもあります。マクドナルドをマックと呼ぶような呼びやすさや、カッコイイ男性の呼称である「イケメン」を想像させるような語感のせいでしょうか。「育児する男性」という言葉が持つ、ダサイ・男らしさに欠けるといったイメージを見事に払拭していると思います。
 
悪女というネーミングも、その響きゆえに認知にフィルターをかけ、魅力的に見えるような気にさせてしまう力があると思うのですが、いかがなものでしょうか。ちなみに筆者は、元銀座ホステスという経歴に注目されることが多いです。ゆえに、取材に来てくれる方、講演などに呼んでくださる方など、初めてお会いする方は「美人なのではないか」「色っぽい女性に違いない」といった期待を膨らませてしまうようです。プロフィール写真を普通に公開しているにも関わらず、十人並みの容姿が魅力的に見えるというのだから驚きです。銀座のクラブにお勤めする前、筆者は某地方警察署に勤務していました。同じプロフィール写真でも、元警察官という肩書きを聞いた場合には、まったく違った印象にあるのでは?と思っています。
 

お願いを聞いてもらう裏ワザを公開!

 
悪女学研究所の勉強会では、所長である筆者の研究発表が主ですが、ゲスト講師の皆様にも数多く登壇していただいています。ベストセラー作家や著名な先生など、旬な講師陣に快諾していただける要因の一つも、ネーミングの力だと思います。そこに、想像力を刺激する言葉を付け加えるとさらに効果が期待できます。
 
ちなみに講師依頼の殺し文句は「講師料は決して高くないのですが、悪女研は女性ばかりの会なので、デパートの化粧品売り場の匂いがするんです」。お仕事としての依頼であるということを伝え、まずは心のシャッターをあけてもらう。そのあとで、悪女というネーミングで美女たちを想像してもらい、デーパートの化粧品売り場の匂いでリアリティを感じてもらう。このステップなら、YESを引き出すのはそう難しいことではありません。この手法は、いろんなケースに応用できます。
 

松田聖子は進化し続ける悪女である

芸能界では誰が悪女?松田聖子は本当に悪女なのか

 
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藤田尚弓は松田聖子さんの長年のファンです。昨日は、ディナーショーに行ってきました。夏のコンサートと年末のディナーショーは毎年の恒例行事です。こうやってプリンスホテルで、ディナーショーの看板を撮影するのも毎年のお約束です。歳を重ねても輝き続ける聖子ちゃんを一目見ようと、今年もたくさんのファンが集まっていました。
 
ぶりっ子路線を突っ走りつつも、家族を顧みない海外進出、不倫問題、離婚・再婚など、悪女なイメージもある彼女。聖子ちゃんがアイドル全盛期だった頃には、中森明菜さんが悪女系で、聖子ちゃんは清純派といった色分けがされていましたが、なにかと不器用な明菜ちゃんよりも、聖子ちゃんのほうが悪女だと感じる人も多いのではないでしょうか。
 
筆者は、聖子ちゃんを「進化し続ける悪女」というポジションにカテゴライズしています。いわゆる「悪い女認定」ではなく、環境が変わっても進化し続けながら輝く、タフでチャーミングな女性という、いわばロールモデル的な扱いです。
 

ビジュアルも中身も時代とともに進化させる松田聖子さん

 
今年もディナーショーの会場で、せっせとお買いものをしたところ、このポスターをいただきました。
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懐かしいです!聖子ちゃんの様々なヒット曲とともに青春の思い出がよみがえってきました。このころの容姿と・・・
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 この頃の容姿を比べると・・・
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ずいぶんビジュアルも進化しています。
 
もちろん中身も進化しています。ディナーショーで購入した懐かしのCDには、聖子ちゃん作詞の曲がたくさん入っています。「これは、アメリカ進出の時の曲の歌詞だよね」「この歌詞は、海のむこうで恋愛していた時の気持ちだろうか」という感じで、キーになるフレーズを書きだしていくと、彼女の軸や価値観が変わっていることが感じられます。
 
注目すべきは、出会いや別れも、前向きなエネルギーに変えられるところ。ここが、アイドル時代に比べられていた中森明菜さんとの違いだと思いました。今年は、明菜ちゃんのディナーショーにも行く予定だったのですが、残念ながら健康上の問題で公演が中止になってしまいました。スキャンダルや別れ、その他もろもろの変化によるダメージを、うまくエネルギーに転換できないタイプの女性は、辛いですよね。残念です。
 

進化し続ける悪女はタフでチャーミング

 
スキャンダラスな私生活が注目されてしまった悪女としては、夫の弟子と不倫関係になってしまったキュリー夫人や、麻薬に溺れた若き作家フランソワーズサガンなどが思い浮かびます。キュリー夫人は皆さんご存知のように、その後も偉大な功績を残していますし、サガンもネガティブな出来事をプラスに変える力があったと思います。
 
トレンドや状況の変化、時代感など、どうしても人生に変化はつきもの。特に女性は、結婚・出産・介護など、人生のステージも変化し続けます。タフさだけでなく、しなやかさも女性には必要ですよね。
 
悪女たちの中には、時代の流れに逆らえず、死刑にされたり、不幸な死に方をした女性もたくさんいます。それだけに、自分を持ちつつ、進化し続けられる女性の強さは、より魅力的。今後も聖子ちゃんファンとして微力ながら応援していきたいと思います。