交渉の授業を担当!今日はブラック交渉術

大学で歴史的に残る「おバカな事例」を教えています

今年も早稲田大学のオープンカレッジにて交渉の授業を受け持っています。

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難しく考えられてしまう「交渉」にいかに慣れてもらうか。
楽しんでもらうか。

 

毎年、少しずつ工夫をしているうちに、ゲームやワークが中心になり、
実際にあった「歴史的おバカ事例」「ありがちな残念な事例」を分析しながら進める
現在のスタイルに行きつきました。

 

決してウケ狙いに走ったわけではないのですが
実際に他人がやってしまった愚かな打ち手を分析していくのは、
おもしろいですし、記憶に残りやすいものです。
ビジネスのケーススタディはもちろんですが、
夫婦ゲンカの攻防、旦那さんのお小遣い交渉、子供への注意の仕方などなど
そこに「人」と「ストーリー」を感じる題材は
生徒さんたちにウケますね。
なぜか個人的に相談をうける機会も増えます。

 

本音をいえば、悪女たちの交渉術を紹介したいのですが、
「交渉術=ズルい」というイメージを持たれてしまうのはNG。
そこは講師としてグっと我慢しています。

 

今週の授業はブラック交渉術でした

授業は週1回。
今週の授業のお題は「騙されないために知っておきたいブラック交渉術」でした。
 

警察にごやっかいになるような人たちが使ってきたテクニックを
実際にあった事件や、心理学の理論などを交え紹介してきました。

 

ブラック交渉術を授業に取り入れることについては
諸先輩方から賛否両論。
ネーミングのイメージだけで、けしからんとおっしゃる方もいます。
とはいえ、相手の手口を知っておくことは、
騙されないようにするという意味では重要ですよね。

 

騙されないように・・・
というセンテンスから、疑問が浮かんできました。
手口を知っておけば、悪女に翻弄されずに済むのでしょうか??
 

悪女の手口を研究しておけば騙されないのか?

悪女たちの手口を知っておけば騙される確率は減るのでしょうか?
そうはいかないのが人間のおもしろいところ。
結婚詐欺や保険金殺人など、古典的な犯罪は
平成になり、四半世紀を過ぎた今も健在です。

 

知れば知るほど興味を惹かれ、
また、実際に会ってしまうと、つい引き込まれてしまうのが悪女。

 

感情が動かされてしまった男性は、
自分が選択した不合理な行動を正当化してしまいます。
はたからみれば、騙されているとわかるような行動も、
いろんな理由をつけて正当化してしまうんですね。

 

あきらかに犯罪というレベルの搾取や、
命まで奪われてしまうケースは事件となり発覚しますが、
本人たちが騙されているという自覚がないケース、
事件になっていないケースなどは相当数あると思われます。

 

気持ちよく騙されて、それに気づかないというのは
もしかすると幸せなことなのかも?

 

そう考えると、本当のブラック交渉術とは、
相手が「気持ちよく譲ってやった」と思う状況を作ること。

授業でやるロールプレイングで
論理的な男性が、なぜか女性に負けてしまうという不思議な光景
女性が自然にチョイスしているブラック交渉術なのでしょう。

 

毎年不思議に思っていた、ロールプレイングによる女性の勝利。
相手を譲らせてしまう女性の強力な武器を「うっふん」と名付けて
コラムを書いたことがあります。

よろしければお時間がある時に……怒らないで読んでね。

→ 強力なだけに反動も!女性がボディタッチというウェポンを使う時の注意点

 

悪女は交渉上手?

昨日は某都市銀行グループのコンサルタント会社様にて
「ビジネス交渉の実務」という講座に登壇してきました。

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悪女を研究しているあなたがなぜ?と思う方もいるかも知れませんが、
本業でコミュニケーションデザインの研究をしており、
企業研修や大学のオープンカレッジなどに立つ仕事も多いのです。

 

交渉で押えておくポイントはたくさんありますが、

・印象管理
・期待値コントロール

というのも、そんなポイントの一つ。

 

 

これって、悪女たちの得意分野ですよね。

 

 

例えば、

・実はブスだったのに絶世の美女と世に名前を残したクレオパトラ
・残虐な印象で身を守った西太后
・本当は焼き芋が好きなのにチーズケーキが好物だと嘘をついていたしずかちゃん

など、印象管理が上手いと感じさせる悪女はたくさんいます。

 

 

・何度も求愛しているのにスグにはOKしてくれない小野小町
・二度の離婚歴、アメリカ人というハンデを乗り越えイギリス国王と結婚したウォリスシンプソン
・男装して愛されたショパンの愛人でも有名なジョルジュサンド

など、期待値コントロールが上手いと感じる悪女も枚挙にいとまがありません。

 

 

直接交渉して欲しいものを手に入れた悪女も多いです。
その中で印象的なのは、イメルダ夫人。

 

 

国の金で贅沢と美を追求した、フィリピンの元大統領夫人です。
「膨大な靴のコレクションの人」と言ったほうが、ピンとくる人も多いかも知れません。

彼女は美人コンテストに入賞したことで、
後の大統領になるマルコスに見初められた言われていますが、
「実はイメルダは美人コンテストに入賞できなかった」というのが事実。

 

諦められないイメルダは

「私が選ばれないのはおかしい」
「選ばれた人は審査員に賄賂を贈っているに違いない」

などとクレームをつけて審査員に交渉をしたんですね。

結局イメルダの主張は受け入れられ、彼女も入賞という扱いに。
その年は二人のミスが誕生するというおかしな事態になっています。

彼女があの時審査員に交渉しなかったら・・・と考えると
改めて、交渉の大切さを感じます。
交渉を教えているものとしては、イメルダのやり方はどうかと思いますが。

 

 

プレゼンの授業から考えた!北条政子は悪女なのか

早稲田大学のオープンカレッジでプレゼンの授業に登壇してきました。
いつもの道もすっかり秋らしくなり、季節の移り変わりを感じています。

 

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今回のテーマは、プレゼンのデリバリーとパラランゲージについて。
言葉以外の部分を含めて、どう伝えたらいいかについて講義してきました。

 

コミュニケーションの中でも非言語コミュニケーションは特に思い入れがあるので、
授業にも、ついつい熱が入ります。

 

さて、プレゼンが巧いと思う悪女で、まっさきに思い浮かぶのは北条政子。

 

鎌倉幕府の将軍、源頼朝の妻であり、
頼朝が亡くなった後は優秀な女性政治家として活躍した北条政子。
政治家ということもあり、男勝りでクールと言ったイメージを持つ人も多いと思いますが、
彼女は感情豊かな女性です。

 

島流しにされていた源頼朝と恋に落ちた時には、
親に決められていた結婚をすっぽかして駆け落ち。
結婚後、頼朝が愛人を持った時には嫉妬のあまり愛人宅を壊しています。

 

そんな政子のプレゼンテーションはやはり情熱的です。

 

朝廷が鎌倉幕府を討とうとした時、

「朝廷には逆らわないほうがいいのでは?」

と尻込みする武士達に、
彼女は単に幕府を守ろうとは言いませんでした。

 

 

彼女がやってのけたのは。

「あなた方の利益を守るために」
「これからの社会のために」
「亡き頼朝の恩に報いるために」

といった心に響くプレゼン。

自分の利益、社会への貢献、そして人の恩。
こういった人間心理を巧みについた彼女のプレゼンは
反対勢力をも味方に変え、歴史を動かしました。

 

 

人は論理で納得し、感情で動きます。
あれこれやらかした北条政子ではありますが、
暖かみのあるエピソードも多数。

衝動性は高かったと思いますが、
性格特性の共感性の部分が高く、人の気持ちに敏感な
傷つきやすい部分のある優しい女性だったのかも?

悪女と言われていますが、
実は家族思いで、優秀な女性政治家だったのではと思っています。